子どものむし歯予防|フッ素とシーラントでできること

カテゴリ:予防 | 公開日:2026-07-31 | 最終更新日:2026-07-31 | 点検日:2026-07-31 | 監修:川田 隆央(川田デンタルクリニック 院長(3代目)・歯科医師)

子どものむし歯予防|フッ素とシーラントでできること

お子さんのむし歯予防というと、フッ素シーラントがよく知られています。ただ、それぞれ効く場所と仕組みが違い、これだけで防げるわけでもありません。何ができて何ができないのかを整理してご説明します。

この記事の要点

  • フッ素は歯全体シーラントは奥歯の溝と、働く場所が違います
  • シーラントは生えたての奥歯に行うと効果的です
  • どちらもこれだけでむし歯を防げるわけではありません
  • 健康保険が適用される場合があります
  • 土台になるのは毎日の歯みがきと間食の取り方です

子どものむし歯はいつ多いのか

データ:子どものむし歯は5〜9歳がもっとも多い(全国 361千人)

厚生労働省の患者調査によると、むし歯(う蝕)で医療機関にかかっている子どもの数は、 5〜9歳が361千人ともっとも多く、1〜4歳(149千人)の約2.4倍でした。

年齢総患者数
1〜4歳149千人
5〜9歳361千人
10〜14歳158千人

5〜9歳は乳歯から永久歯に生え替わる時期にあたります。生えたての奥歯(6歳臼歯)は溝が深く、 歯の質も成熟していないためむし歯になりやすく、この山はその時期と重なります。 シーラントの適期が「奥歯が生えた直後」とされるのは、この時期を狙うためです。

出典:厚生労働省「患者調査」 2023年(令和5年)/政府統計の総合窓口(e-Stat)表ID 0004026065(2026-07-31 取得)

フッ素とシーラントの違い

混同されやすいのですが、別の目的をもつ処置です。

項目フッ素シーラント
働き歯の質を強くし、溶け出した成分の再沈着を助けます奥歯の溝を樹脂で埋め、汚れが入らないようにします
効く場所歯の表面全体奥歯の噛む面の溝
時期歯が生えてから継続して奥歯が生えた直後が適期
持続定期的な塗布が必要です取れることがあり、確認が必要です
両方を行う意味があります。フッ素は溝の奥までは届きにくく、シーラントは歯と歯の間には効きません。カバーする範囲が違うためです。

フッ素について

フッ素は歯の再石灰化(溶け出した成分が戻る働き)を助け、酸に溶けにくい歯質に変えます。むし歯菌の働きを抑える作用もあります。

医院での塗布

ご家庭での歯みがき粉

日常のフッ素はご家庭の歯みがき粉が中心になります。年齢によって使用量の目安があります。

年齢使用量の目安
歯が生えてから2歳頃米粒程度のごく少量
3〜5歳頃グリーンピース程度
6歳頃〜歯ブラシの毛先全体に
うがいのしすぎは効果を下げます。少量の水で1回だけすすぐ方法をご案内しています。年齢と本数に応じた使い方は、診療室で実際にお伝えします。

シーラントについて

奥歯の噛む面には細く深い溝があり、歯ブラシの毛先が届きません。ここにむし歯ができやすいため、あらかじめ樹脂で埋めるのがシーラントです。

取れることがあります。取れたまま気づかずにいると、かえって汚れがたまることがあるため、定期的な確認が前提の処置です。この点はご理解いただいたうえで行います。

これだけでは防げません

フッ素もシーラントも、毎日のケアの代わりにはなりません。むし歯のできやすさを左右するのは、次の要素です。

お子さんの口の機能や歯並びが気になる場合は 口腔機能発達不全症とは もあわせてご覧ください。

健康保険が適用されます

フッ素塗布とシーラントは、条件を満たす場合に健康保険が適用されます。年齢やお口の状態によって取り扱いが異なるため、診察の際にご説明します。

むし歯の予防管理として継続的に行う場合も保険の範囲で対応できます。まずは検査でむし歯の有無と生え替わりの状況を確認するところから始めます。

小児歯科の詳細は 小児歯科 をご覧ください。

よくあるご質問

フッ素とシーラントはどちらを受けるべきですか?
働く場所が違うため、両方を行う意味があります。フッ素は歯の表面全体の質を強くする一方、奥歯の深い溝の奥までは届きにくく、シーラントは奥歯の溝を埋めますが歯と歯の間には効きません。カバーする範囲が異なります。
シーラントは歯を削りますか?
削りません。奥歯の溝を清掃したうえで樹脂を流し込みます。ただし取れることがあり、取れたまま気づかずにいるとかえって汚れがたまることがあるため、定期的な確認が前提の処置です。またすでにむし歯がある歯には行えず、先に治療が必要です。
フッ素を塗っていればむし歯になりませんか?
なりにくくはなりますが、これだけで防げるわけではありません。むし歯のできやすさは、間食の回数、甘い飲み物の取り方、仕上げみがき、歯と歯の間の清掃に大きく左右されます。とくに間食は量より回数が影響します。

出典

※ 本記事の掲載内容は一般的な情報です。症状や適応には個人差があり、実際の治療方針は診察のうえ判断いたします。費用は2026-07-31時点の税込金額です。

※ 点検日(2026-07-31)は、監修者が記事内容を点検した最新の日付です。内容に実質的な変更があった場合は最終更新日を更新します。

川田デンタルクリニックについて

お子さんの歯の生え替わりに合わせて、必要な予防をご案内します。土曜も診療しています。

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