歯周病の治療が終わったあとに通い続ける理由|メインテナンスの間隔

歯周病の治療が一段落すると、「もう通わなくてよいのでは」と感じる方は多いと思います。ただ歯周病は、治療で止められても、原因そのものがなくなる病気ではありません。通い続けることに意味がある理由をご説明します。
この記事の要点
- 歯周病は治療で止められても、再発しうる病気です
- 治療後の通院はSPT(歯周病安定期治療)として位置づけられています
- 間隔は1〜3か月ごとが目安。歯周ポケットの深さと安定度で決まります
- 中断すると数か月で元の状態に戻ることがあります
- 健康保険が適用されます
治っても通い続ける理由
歯周病の治療は、歯石やプラークを取り除いて炎症を止めるところまでを目指します。しかし、失われた骨は基本的に元には戻りません。「治った」ではなく「止まっている」状態と考えるのが実際に近い理解です。
そして、細菌はお口の中からいなくなるわけではありません。日々のブラッシングで取りきれない汚れは再び蓄積し、放置すれば数か月で炎症が戻ることがあります。
| 段階 | 状態 |
|---|---|
| 治療中 | 歯石の除去と清掃で炎症を抑えていく期間 |
| 再評価 | 検査をやり直し、歯ぐきが安定したかを確認する |
| メインテナンス(SPT) | 安定した状態を保つための通院。ここが本題です |
どれくらいの人が歯周病で通院しているか
データ:歯周病で通院している人は全国で約1135万人。むし歯の約3.8倍です
厚生労働省の患者調査によると、歯肉炎・歯周疾患で継続的に医療機関にかかっている人(総患者数)は 全国で約1135万人(11,354千人)でした。同じ調査のむし歯(う蝕)は約298万人で、 歯周病のほうが約3.8倍多いことになります。
| 傷病 | 総患者数 |
|---|---|
| 歯肉炎及び歯周疾患 | 11,354千人 |
| う蝕(むし歯) | 2,984千人 |
年齢別に見ると、35〜39歳で410千人だったものが、55〜59歳では853千人へと約2.1倍になります。 5,446千人(全体の約48%)が65歳以上です。年齢とともに積み上がっていくことが数字にあらわれています。
出典:厚生労働省「患者調査」 2023年(令和5年)/政府統計の総合窓口(e-Stat)表ID 0004026065(2026-07-31 取得)
通う間隔はどう決まるか
一律ではなく、検査の結果で決まります。主に次の要素を見ます。
- 歯周ポケットの深さ — 深い部分が残っているほど、間隔は短くなります
- 出血の有無 — 検査時に出血する部位は、炎症が続いているサインです
- 歯の動揺 — 支えている骨の状態を反映します
- ブラッシングで磨けている度合い
- 喫煙・糖尿病 — いずれも歯周病の経過に影響します
目安は1〜3か月ごとです。安定していれば間隔を空け、深い部分が残っていれば短くします。間隔は固定ではなく、そのつど調整するものとお考えください。
歯周病の治療歴がない方の定期検診の考え方は 定期検診はどのくらいの頻度で行くべきか をご覧ください。
※ 記載の期間・回数・費用は目安です。お口の状態や全身の状態により異なり、実際の治療方針は診察のうえ判断いたします。
メインテナンスで行うこと
| 内容 | 目的 |
|---|---|
| 歯周組織の検査 | ポケットの深さ・出血・動揺を測り、前回と比べます |
| 歯石・バイオフィルムの除去 | ブラッシングでは落とせない付着物を取り除きます |
| 歯ぐきの中の清掃 | 必要に応じてポケット内の汚れを除去します |
| ブラッシングの確認 | 磨けていない部位はその人ごとに違います。道具の使い方を調整します |
| 噛み合わせの確認 | 特定の歯に強い力がかかっていると、歯周組織に負担がかかります |
数値で記録するため、前回からの変化が分かります。「よくなっている」「悪化した部位がある」を感覚ではなく検査結果でお伝えします。
中断するとどうなるか
メインテナンスを中断した場合、炎症が戻り、歯周ポケットが再び深くなっていくことがあります。困るのは、そのあいだ痛みなどの自覚症状が出にくい点です。
次に受診されたときに、治療前と同じかそれ以上に進行しているというケースが実際にあります。すでに骨が減っている歯では、残せるかどうかの判断に関わってきます。
健康保険が適用されます
歯周病の治療後のメインテナンス(SPT)は、健康保険が適用されます。窓口でのお支払いは健康保険の自己負担分となります。
保険で行うため、検査に基づいて計画を立て、記録を残しながら進めることが前提になります。検査を省いて清掃だけを行うものではありません。
歯周病治療の詳細は 歯周病治療 をご覧ください。
よくあるご質問
- 歯周病の治療が終わったら、もう通わなくてよいですか?
- 通い続けることをおすすめします。歯周病の治療は炎症を止めるところまでを目指すもので、失われた骨は基本的に元に戻りません。細菌もお口の中からいなくなるわけではないため、中断すると数か月で炎症が戻ることがあります。痛みが出にくい病気のため、自覚症状で判断できない点にも注意が必要です。
- メインテナンスはどのくらいの間隔で通いますか?
- 1〜3か月ごとが目安です。歯周ポケットの深さ、検査時の出血の有無、歯の動揺、ブラッシングで磨けている度合い、喫煙や糖尿病の有無によって決まります。安定していれば間隔を空け、深い部分が残っていれば短くします。固定ではなく、そのつど調整します。
- 歯周病のメインテナンスに健康保険は使えますか?
- はい。歯周病の治療後のメインテナンス(SPT)は健康保険が適用されます。窓口でのお支払いは健康保険の自己負担分です。保険で行うため、検査に基づいて計画を立て、記録を残しながら進めます。
出典
※ 本記事の掲載内容は一般的な情報です。症状や適応には個人差があり、実際の治療方針は診察のうえ判断いたします。費用は2026-07-31時点の税込金額です。
※ 点検日(2026-07-31)は、監修者が記事内容を点検した最新の日付です。内容に実質的な変更があった場合は最終更新日を更新します。
しばらく通院が空いてしまった方も、いまの状態の確認から始められます。上野毛駅から徒歩1分です。
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